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秋深し、意外とカンタン♪
お手軽!燻製

「燻製」と聞くと大がかりな設備やアウトドア料理を思い浮かべますが、意外や意外! ご家庭にある調理器具でも、手軽にできるクッキング術なのです。保存性が高まるだけでなく、おいしさや香りがアップして、その味わいもたまらない燻製料理。実は以前特集を組んだときからはまっていて、はのん編集部内では“燻製マスター”といわれています。深まる秋の休日、「フライパン燻製」にチャレンジしてみませんか。

素材の旨みと香りがワンランクアップ!
歓声もあがったオードブル&酒の肴レシピ。

保存食なのに、嗜好性の高い燻製料理

そもそも燻製という調理方法は歴史が古く、起源は太古の時代にさかのぼります。世界中のさまざまな国で長い年月をかけて進化しながら広がり、今もなお人気の高い燻製料理。煙に燻されて食品の保存性が高まることで知られていますが、味や香りが格段にアップすることが根強い人気の秘密ではないでしょうか。燻製料理の代表といえば、ベーコンやハム、ソーセージなどの肉料理ですが、実は鰹節も燻製ですし、秋田のいぶりがっこもお馴染みですよね。

燻製の方法には、25℃以下の低温で数時間から何日間もかけて行う方法もありますが、数十分から数時間でできてしまう調理方法もあります。しかも、大がかりなスモーク専用の装置やアウトドア用のスモーカーを使わなくても、ご家庭にある調理器具で手軽にできるのです。

用意するのは、まずはスモークチップ。ホームセンターやスーパーマーケットのキッチン用品売場などで購入できます。それから深さのある金属製のフライパン。中華鍋などがベストです。鍋底が焦げつかないようアルミホイルを敷いて、中央にスモークチップを載せます。その上にフライパンより小さい丸型の餅網などを置き、煙が充満するように深さのあるフタ(フライパンとほぼ同寸であれば、ボウルなどで代用も)を被せます。基本の道具はこれだけ。なんとなく理科の実験のようで、気分がワクワクしてきます。

  • 【今回使ったアイテム】
  • *スモークチップ(初心者にもおススメというサクラのチップを選びました。)
  • *深さのあるフライパン
  • *アルミホイル
  • *丸型の網
  • *フライパンの口径より少し小さめのボウル

準備が整ったらいよいよ調理。といっても、フライパンにセットした丸網の上に、好みの食材を載せて燻製するだけ。予め味の付いている、チーズや練り物、ナッツ、たくあんなどの加工品は、下ごしらえが要らないので、簡単に燻製できます。チーズは溶けて網から落ちないように、クッキングシートや耐熱皿に載せましょう。
あまり知られていませんが、塩やしょう油などの調味料を燻製するのもおススメです。燻製独特の、コクのある香りの調味料で調理すると、いつものメニューがワンランクもツーランクもアップします。

基本は、漬け込み→塩抜き→乾燥→燻製の4ステップ

そもそも燻製は“保存食”ですので、下ごしらえに“塩漬け”を行うのが基本です。塩の力で食材の水分を抜き、殺菌することで保存性を高めたり、ハーブやスパイスをプラスして臭みを消したり、風味をプラスしたりすることができます。この方法は少し手間がかかりますが、保存性はもちろん、好みの味付けや風味、食感を楽しめるのでおススメ。レシピ本もたくさん出ていますので、ぜひお気に入りの味付けをお楽しみください。

魚介類などの生ものを燻製する場合は、塩をもみ込むだけのシンプルな味付けでも十分おいしいですが、一般的に熟成させる時間は数時間から一晩程度。今回は鶏ささみ肉やホタテ、卵をチョイスしました。塩抜きはレシピによっては不要な場合もありますが、お好みでほどよいあんばい(塩梅)に。次の工程、乾燥のポイントは、水分が残っていると燻すときに煙と反応して酸味が残ってしまうので、かなりしっかり乾燥させることです。簡単とは言いましたが、完璧においしい燻製を作ろうと思うと、下ごしらえに丸一日程度掛かるというのが、私の感想です。
いよいよ燻製に入ります。点火してチップから煙が出てきたら、中弱火にしてフタを被せて30分〜1時間程度。加工品の場合は、火加減や時間はお好みで、ほどよく色づいていたら完成です。

燻製料理があれば、笑顔も話題も広がります!

例えばホームパーティーで、プロセスチーズやゆで卵をそのまま食卓に出しても今ひとつかもしれませんが、燻製してオードブルにプラスすれば、立派な一品です。特に燻製卵は焼きプリンのような香ばしくて衝撃的なおいしさでした。この卵を崩してポテトサラダに混ぜるのも押し! きっと料理上手と誉められますよ。

今回はもうひと手間かかるベーコンづくりにもチャレンジしてみました。長期保存が可能なベーコンは、市販のものだと当然ながら保存料など添加物が使われています。自家製のベーコンで一番うれしいのは、無添加でおいしくできること。豚バラ肉の塩漬けに1週間程度かかることと、塩抜きに半日かかることを除けば(作業そのものは10分もかかりません。あとは待つだけ)、調理方法は基本的に同じですから、とてもシンプル。そして安心、安全です。

しかも完成したベーコンは1週間程度は保存可能なので、サンドイッチやサラダ、パスタにスープ、炒飯などなど、あれこれ使えるのが何よりもうれしいでですね。

スモークチップをブレンドしたり、ザラメや紅茶などを混ぜたり、また漬け込みにハーブなどをチョイスしたりと、好みの味付けや風味、食感を楽しめて奥の深い燻製料理。この記事を読んで、お腹がグーッと鳴った人、秋ならではの食材を用いてオリジナル燻製にチャレンジしてください。

参考文献:
『燻製づくりの基本と応用』桑田 彰 著(地球丸) / 『スモーク 週末、中華鍋で肉を燻す』鎌田 香 著(講談社)/『燻製調味料でつくる絶品料理』輿水 治比古 著(扶桑社)/『燻製の基本』燻製道士 監修(エイ出版)/『燻製ライフ』(扶桑社)/『燻製作りの基本』片山三彦 著(地球丸)