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日本酒で寿ぐ、新春ほろ酔い入門

新酒の出回る季節です。いまや海外でも人気に拍車がかかる日本酒。ただ、肝心の原産国日本では、銘柄が豊富、種類や飲み方が多種多様、少し値が張るなどの理由からか、敷居が高いと感じて敬遠している人も多いと聞きます。でも最近では日本酒専門のバーや居酒屋など、気軽に日本酒を楽しめるお店も増えてきました。そこで、日本酒の最新情報が集まる「日本の酒情報館」(日本酒造組合中央会運営)を訪ね、ここを押さえると“楽しくおいしく日本酒を味わえるあれこれ” を教えていただきました。

基本を知り、トレンドを知って日本酒をもっと楽しみましょう

日本酒選びは、料理とのマリアージュで

お米と水という至ってシンプルな素材ながらも、日本各地に1,500もある蔵元で、個性豊かな味わいと香りが醸し出される日本酒。地域性だけでなく、原料のお米の品種、蔵によってもそれぞれの傾向があるそうです。ひとつの蔵元でも純米大吟醸や純米酒、生酒やにごり酒など多様なお酒が造られています。初心者には複雑過ぎて、どう選べばよいのかちんぷんかんぷん。まずは自分の好みに合う日本酒選びについて「日本の酒情報館」の館長、今田周三さんにお聞きしました。

「日本酒は、原料となる精米歩合による分類や製造方法、そして季節や出荷時の状態などさまざまな条件で味が変わります。全部覚えるのは大変ですが、自分好みのお酒、今飲みたいお酒を選ぶには、まず4つのタイプに分けて考えてみると分かりやすいと思います」

日本酒造協会中央会・日本酒4つのタイプ分類表

今田館長にお教えいただいたのは、“フルーツのような吟醸香が高いか低いか”、また“旨みやコクが濃厚か軽やかか”の4つに分類した味覚のタイプ。それぞれに主な日本酒の種類が記載されていますので、ぜひ参考にしてください。 「お酒のタイプを知ることも大事ですが、どんなシーンでどんな料理と一緒にいただくかが大切なポイント。例えば純米大吟醸はリンゴやバナナなどフルーツのような芳醇な香りを楽しめますが、濃厚な肉料理と合わせてしまったら両方の良さを味わえません。欧米人にとってのワインと同じように、日本酒は日本人が古来より食事と一緒に楽しんできた食中酒ですから、ぜひ料理と相性の良いお酒を選んで楽しんでいただきたいですね」。

日本酒は今、“発泡酒”や“Bio SAKE”がトレンド

「日本の酒情報館」には、各地の蔵元から日本酒が届きディスプレイされています。その棚で目を引いたのが、まるでスパークリングワインのようなボトルの日本酒。 「日本酒も瓶詰めした後に火入れをして発酵を止めなければ、瓶の中でも二次発酵が進み炭酸ガスが発生します。その泡を生かした発泡酒が、スパークリングワインのような感覚で楽しめると、近年注目されています。」と館長。

同じ棚に並んでいたのが、自然栽培や有機農法による原料で仕込んだオーガニックな日本酒。
「酒米といえば、山田錦や五百万石、雄町などが知られていますが、今は多様化してきました。オーガニック製法で作られた酒米や、地産地消を意識して地域独自の酒米で仕込まれた日本酒も増えてきています」と館長が教えてくださいました。
和食に合う古風な印象の強い日本酒ですが、時代を反映した酒造りに各地で取り組んでいるようです。実は日本酒の味も時代による変化が反映されてきているそうで、「20〜30代の息子の代に世代交替している蔵元も多くなってきています。彼らが造る酒は先代が造る酒とは全く違う。今のムーブメントは“酸味のある甘酸っぱい酒”。若者たちは西洋化された食文化のなかで育っていますから、料理に合う酒の味もまた異なるのです。日本酒の味も時代と共に移り変わっているのです」そんな若い蔵元による新しい日本酒にも注目ですね。

失敗しない大人な飲み方、「和らぎ水」のススメ

お酒選びの基本から好みの日本酒を見つけたからといって、飲み過ぎには気をつけて。度数が高いだけに深酔いが懸念されます。そこで館長からアドバイスは「和らぎ水」。日本酒を飲みながら、合間に飲む水のこと。水を飲むことで飲み過ぎを防ぎ、酔いが回る速度も緩やかになります。口直しをすることで舌の感覚がリフレッシュされ、お酒や食事の味をさらに堪能できるのも魅力です。おいしく楽しいひとときを最後まで味わうためにも、“日本酒、ときどき「和らぎ水」”を心掛けましょう。

自宅でアレンジを楽しみたい日本酒+α

最後は家飲みのご提案です。日本酒を買ってみたけれど、「飲みきれずに余ってしまった」「ちょっと思った味と違った」というときにおススメしたい飲み方レシピ。寒い季節には、ちょっと熱めに温めた日本酒にすりおろしリンゴを加えると、甘酸っぱさが口に広がり心身ともに温まります。また、発泡酒ならフレッシュフルーツをグラスに入れて注ぐと華やかな一杯に。カシスやカンパリなど甘いリキュールに氷を入れて、日本酒を静かに注ぐと、写真のようなキレイなカクテルの出来上がりです。日本酒という固定観念にとらわれず、さまざまにアレンジしてみましょう。

余ってしまった日本酒の活用法として、もうひとつご紹介したいのが美容にうれしい贅沢な使い方。アミノ酸をたっぷり含む日本酒を、化粧水替わりにお肌や身体に塗布すると保湿効果があるのです。また入浴剤替わりにバスタブに入れると、リラックス効果があるといわれています。

日本原産の日本酒ですから、今年は日本酒を上手にたしなんでみませんか。

取材協力:日本酒造組合中央会「日本の酒情報館」

歴史と文化を含む日本酒・本格焼酎・泡盛の魅力のすべてを「見て・触れて・体験する」ことができる場所。多様な種類の日本の酒を常時50アイテム程度、1杯100円から試飲可能。蔵元によるイベントや専門家によるセミナーも。 東京都港区西新橋1-6-15 日本酒造虎ノ門ビル
open 10:00-18:00 close 土日祝日 入場無料
http://www.japansake.or.jp/sake/know/data/index.html