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シバトモのおきらく鳥♪日記 / 002

こんにちは。ごくごく普通のおばさんコピーライター、シバトモです。子育ても親の介護も経験し、もう人生後半戦。趣味はバードウォッチング、といっても、いっこうに上達しない万年ビギナーです。性格はいたってお気楽。そんな私がつづる「おきらく鳥♪日記」。どうぞ、おつきあいください。

奄美の原生林で道に迷う。
そこに現れたのは、コンガの達人でした。

天然記念物がずらりと顔をそろえる奄美の夏鳥に会いたいと思い、梅雨まっただ中の奄美へ、雨を覚悟で出かけました。案の定というか、旅の目的であった地元の探鳥会は豪雨中止。夜明けの鳥のコーラスを期待して奄美の最高峰、湯湾岳を目指せば、真っ暗闇の中に見えたのは、山崩れ修復のため全面通行止めの看板。…とさまざまな困難が待ち受けていました。が、その最たるものは、天候でも自然災害のせいでもなく、自身のお気楽な性格が招いたものでした。

めずらしくお天気に恵まれた日、クルマを走らせて凸凹の林道を分け入り、奄美が誇る金作原(きんさくばる)原生林へ。ゲート前に駐車して、太古を思わせる木生シダ、ヒカゲヘゴが生い茂る亜熱帯の森で、野鳥と自然を満喫することができました。ただ、入り口にあった鳥獣保護区域の看板を見た際、林道が回遊コースになっているものと勘違い。歩けども歩けども車を置いた場所にたどり着かず、標高はぐんぐん下る一方。のどは渇き、どこに向かっているかも分からず、疲労困憊。と、その時、突然、耳に入ってきたのは、不思議な打楽器の音! 少し行くと、大きな木の下で3連のコンガを軽快にたたいている人がいるではありませんか! その時はまだ名前も知らなかった、島の有名なパーカッショニスト、山北のりひこさんその人。明日のコンサートに向けて練習中だったのでした。

事情を聞くなり、「今日は、僕ヒマだから、送りますよ」と楽器をクルマの荷台に積み込み始めたのです。島を横断するように反対側に下りてきてしまったのを見かね、親切にもレンタカーを止めた場所まで送り届けてくださったのです。ちなみに、さすがは音楽家、リュウキュウコノハズクやカラスバトの声まねがものすごく上手なのでした。 翌日、お訪ねしたコンサート会場で、自らの手で木をくりぬいて作ったコンガやジャンベの素晴らしい響きに魅せられました。そればかりか、島唄の名手である奥さま、皆吉恵理子さんにもお会いできたのです。最悪とも思える失敗が、思いもよらぬすてきな出会いをくれ、ラッキーというしかありません。

ところで、旅の目的であった野鳥に関してですが、日程のほぼ半分は雨だったにもかかわらず、アカヒゲ、サンコウチョウ、リュウキュウアカショウビン、オーストンオオアカゲラの親子などなど、見たかった鳥のほぼ全てを見ることができた、という嘘みたいにぜいたくな鳥果でした。
ありがとう、奄美の人情! ありがとう、奄美の自然!