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シバトモのおきらく鳥♪日記 / 005

こんにちは。ごくごく普通のおばさんコピーライター、シバトモです。子育ても親の介護も経験し、もう人生後半戦。趣味はバードウォッチング、といっても、いっこうに上達しない万年ビギナーです。性格はいたってお気楽。そんな私がつづる「おきらく鳥♪日記」。どうぞ、おつきあいください。

野鳥、野の花、そして自然農法の大木さん。
河畔の散歩道は、おいしい出会いもくれました。

私は首都圏に住んでいますが、家の周囲にはささやかながら自然が残っていて、近くにある河畔の小道は、お気に入りの散歩コースです。道端に咲く野の花、川を渡る風、川面をカワセミが飛んだり、カルガモが子育てをしたり、とちょっとした探鳥地。突然、オオタカなどの猛禽が姿を見せることもあります。 鳥や自然だけでなく、人との何気ない交流も楽しみの一つ。腰は曲がっていても元気な声で挨拶してくれるおばあさんや元八百屋のおじさんとの二言、三言の立ち話。吹奏楽の練習をする少女たちに出会ったこともあれば、花畑の脇に「ご自由にお持ち帰りください」の張り紙に袋を添えて、スイセンの球根がどっさり置いてあったことも!

ある日、後ろから走ってきた軽ワゴン車が止まると、窓から赤銅色の人なつこい笑顔が振り向き、話しかけてきました。「野鳥を見てるんですか?」 完全無農薬・完全有機栽培の野菜をつくっているコリンキーふぁーむ・大木さんとの出会いでした。 会うたびに「うちの畑にも野鳥がたくさんいますよ。一度来ませんか?」との言葉。「畑の上空をこんな猛禽が飛んだけど…」「奇妙な声で叫ぶ鳥、何かな?」と電話も入るようになりました。「食べ頃の野菜がたくさんあるから、畑に来て」とのうれしいお誘いも。じつは、大木さんの野菜はお会いする前からスーパーで買っていました。つくり手の顔が見えるどころか、その人と知り合いになれるなんて、びっくりです。

野鳥を含め自然が大好き。土と触れる野菜づくりが楽しくてしかたないという大木さん。 少年のような好奇心を持つ人柄そのままに、自然な野菜、美しい野菜、おいしい野菜を目指してチャレンジの毎日です。生食のかぼちゃ・コリンキー、フィレンツェなす、花オクラなど…育てる種類はなんと約50種! おいしさが口コミで伝わり、スーパーや物産店、保育園の給食、レストランからの直接注文、と大木さんの野菜はますます人気です。「おいしい!」の声が一番の励みであり原動力。ニンジン嫌いの園児が大木さんのニンジンをパクパク食べた、実家近くの物産店で大木さんの野菜を食べたシェフが自分の勤める店の食材に選んだ…などなど、おいしさを語るエピソードには事欠きません。

先日、大木さんが野菜を納めるイタリアンレストランに食事に行ってきました。もちろん、野菜サラダも注文。シェフの手になる一皿は、葉菜、果菜、根菜がハーモニーを奏でていて、手と味を加え過ぎてはいません。野菜が本来持っている甘味はもちろん、苦味や渋味までもがおいしさだと、改めて感じました。ひょうたんから駒のような交流から知った、土と自然の力が育てるおいしさ。河畔の散歩が開いてくれた新しい世界でした。