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シバトモのおきらく鳥♪日記 / 009

こんにちは。ごくごく普通のおばさんコピーライター、シバトモです。子育ても親の介護も経験し、もう人生後半戦。趣味はバードウォッチング、といっても、いっこうに上達しない万年ビギナーです。性格はいたってお気楽。そんな私がつづる「おきらく鳥♪日記」。どうぞ、おつきあいください。

スカイツリーの下には、情緒があって人情がある。 近頃、江戸下町散歩にはまっています。

東京スカイツリーができてから、下町がなにかと注目され話題に上りますね。勤め先が表参道でターミナル駅が渋谷だったこともあり、これまで下町とはあまりなじみがありませんでした。たまたま、後でお話しする森下のレストランを知人から教えてもらったり、上京した親戚を案内して昨年スカイツリー・デビューしたのがきっかけで、遅ればせながら下町の魅力に気づき始めたところです。観光地ではない場所にも江戸をしのばせる情緒が見つかったり、行く先々で人情や気っ風のよさに出会えたり…訪れるたびにどんどん下町のとりこになっています。そんな江戸下町散歩のご報告を少々。

その日は、錦糸町で人と待ち合わせ。まだ時間があり、ふと駅前の案内板に目をやると、茅葺き屋根の山門を持つお寺が出ていました。23区内に今どきそんなお寺があるの!? さっそくその多聞寺へ。道に迷った先に、江戸中期そのままの茅葺きの山門が静かに迎えてくれていました。本堂を参拝した際、気づいたのが「隅田川七福神めぐり」の案内ちらし。へ〜え、七福神めぐりか、楽しそう。がぜん興味がわき、今年のお正月、初めて七福神めぐりをしました(※七草までの開催)。巡ること約2時間、めでたく七神の御朱印がそろいました~! 「隅田川七福神めぐり」の歴史は古く、二百年前、向島百花園に集まる文化人たちの発案で始まったとか。隅田川沿いの道すがら、古い寺社の屋根越しにスカイツリーが見えたり、ビルの裏手の小路に並べられた鉢植えを眺めたりすると、江戸と東京が仲良く同居しているのを感じます。
七福神めぐりはここだけではなく、清澄白河には「深川七福神」のノボリが! 下町には一体どれほどの七福神があるのでしょう。それぞれの地域で、寺社と地元の方々が伝統を大事に守っているから続いているのですね。

ふらりと入った清澄白河の小さな資料館。深川江戸資料館という名の通り、江戸の暮らしがぎっしり詰まっていました。建物の中にまるごと町ができていて、商店から長屋、船着き場まで、江戸末期の深川界隈そのまま(見たことはないですが)。 建物も品々も当時と同じ材料で造っているそうで、どうりでリアルです。足を踏み入れた時、夜空には月が浮かび、火の見櫓からカンカンカンと半鐘の音。江戸の名物、火事です! 鶏が鳴く頃、辺りは明るくなっていて、のんびりとした物売りの声。一日の暮らしが15分間ごとに繰り返され、まるで八っつぁんか熊さんの女房にでもなった気分です。じつは、ここ、何度も来ているんです。でも、ちっとも飽きないんです。
館内には特別展示もあり、この日は、“からくり独楽”がずらりと並んだ江戸独楽の特別展と、江戸文化を愛した杉浦日向子さんの企画展を楽しむことができました。この資料館以外にも、周辺には、江戸の情緒や暮らしを伝える博物館や資料館、屋敷や庭園がいろいろあり、今後、行ってみるのが楽しみです。

行きつけの店が一つできると、その町が親しみを増し、足の向く回数も増えます。私にとって、森下の「びすとろ のっちょりいの」はそんなお店。ここに通い始めてから、私はすっかり下町びいきになりました。数年前に知人に連れて来てもらったこのお店、フランス仕込みの本格的な味。それでいてボリュームたっぷり! ワインも含めて懐に優しいお値段! 気取らず気軽に楽しめる、下町のフレンチと呼びたいお店です。
寡黙なシェフと気配りの行き届いたソムリエ。息の合ったご夫妻は、共に森下生まれで中学・高校の同級生。フレンチの堅苦しさはみじんもなく、知り合いのお宅を訪ねているような気持ちになります。ヨーロッパ遊学の際に魅了されたフランス各地の家庭料理の、あのおいしさ、楽しさを提供したい、との思いから店を開いて約40年になるそうです。「料理もワインも会話を引き立てる脇役、それが理想」…とご夫妻から伺って、このお店の心地よさの秘密が分かった気がしたのでした。多くのお店を知る訳ではない私が言うのもなんですが、味と人柄は太鼓判! そうそう、先日いただいた真鯛とエビのイカスミソース、思いがけず濃厚でおいしかった~! 以上。あれこれ満喫の江戸下町散歩でした。