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[はのん] 生活を楽しむあなたに贈るライフスタイルWebマガジン

シバトモのおきらく鳥♪日記 / 015

こんにちは。ごくごく普通のおばさんコピーライター、シバトモです。子育ても親の介護も経験し、もう人生後半戦。趣味はバードウォッチング、といっても、いっこうに上達しない万年ビギナーです。性格はいたってお気楽。そんな私がつづる「おきらく鳥♪日記」。どうぞ、おつきあいください。

赤ちゃんが可愛いのって、人間だけじゃない。
鳥でも、動物でも、み~んな可愛い。不思議ですね。

人間でも、野鳥でも、動物でも、赤ちゃんって、どうしてあんなに可愛いのでしょう?
「赤ちゃんが可愛いのは、きっと、周りから守られるためなんだと思う」そう言った知り合いの女性がいます。なるほど!と、すごく合点がいったものでした。
わが子は目に入れても痛くない、どんなことがあっても守りたい。そうした気持ちは、動物や野鳥だって、私たち人間と同じだと思うのです。 生き物たちの生活は、そのほとんどが、子を産み、育て、次代に命をつなぐために費やされていると言っても過言ではないでしょう。自分は食べずとも子に餌を運び、自分より大きな敵に命を賭して立ち向かってわが子を守る…自然界の子育てを観察していると、その必死さにいつも心を動かされます。今回は、フィールドで出会った赤ちゃんや子どもたちのお話です。

暗い木のウロの中からじっと外界を見ている4つのつぶらな瞳。ウロからまだ一度も出たことのない巣立ち前のアオバズクのヒナたちです。今年も青葉の頃、子育てのために南から渡ってきたアオバズク。ウロの近くの枝でじっと見張りをするオスの姿から、メスの抱卵が始まったのを知り、中の様子を想像しながら遠くから見守ってきました。
そろそろ巣立ちか? もう少し様子を知りたいと思い、その日は、ヤブ蚊の猛攻に耐えながら日が落ちてからも見続けていました。あたりが暗くなった頃です。一瞬、黒い影がよぎったかと思うと、その影は巣穴に飛び込み、すぐさま消え去りました。暗がりの中で幾度となく繰り返されたこの動き、親鳥がヒナに餌を運んでいるのだと分かりました。その場では見えなかった様子が、写真にははっきり刻まれていました。巣立ち前のヒナが写っていたのです。数日後、行ってみると、親鳥から少し離れた木の枝に、無事に巣立った3羽のヒナの姿が! なんともほほえましい家族の光景でした。
このアオバズクの巣穴のある場所のことは誰にも話したことがありません。観察する際は極力音を立てずに望遠鏡で遠くから眺めるようにしました。

近所の河畔を散歩していると、遠くから「ケレケレケレ…」と元気な声が聞こえてきます。私の大好きな鳥、カイツブリ。潜りが得意な漁の名手です。春先、あちこちから声が響いてくるようになるのは、恋の季節だから。「鳰(にお・カイツブリの古名)の浮巣」といわれるよう、岸辺に生えるアシなどを支えに水面に巣を作って子育てをします。浮巣は崩れやすく、流されやすく、不安定。せっせと補修するのが日課です。
今日明日にもヒナが誕生しそうな巣がありました。ところが、折からの大嵐。巣は大丈夫か? 卵は無事だろうか? 次の日、急いで見に行ってみたら、あらら、生まれたばかりの小さな小さなヒナが水面にプカプカ。もう泳いでいるではありませんか! そして、親鳥から餌を口移しでもらっています。無事だったんだね! 良かった〜!

野鳥観察に出かけると、さまざまな動物にも出会います。リス、ノウサギ、サル、カモシカ、時にはオコジョ…。日本はまだまだ野生の国です。サルを見るのは、たいていが車道脇か、道路を横切る姿。警戒しながら大急ぎでヤブの中に消えていくのが普通です。
一度だけ、楽しそうにくつろぐサルの群れを見たことがあります。上高地の深い森の中。小道の先のサルたちは、人が近くにいるのに警戒する様子がなく、普段の生活を見せてくれました。木の実をつまんでは食べるサル、毛づくろいし合うサル、赤ちゃんを胸に抱いた母ザル、じゃれ合う2匹の子ザル…。いろんな世代のサルたちが心の底から安心し、群れ全体で子ザルを育て、守っているように見えました。
自然界の赤ちゃんは、必死の子育てにもかかわらず、生き残れないことも多いようです。餌の不足、天敵の襲来など、一人前に育つにはさまざまな試練が。自然界の赤ちゃんを見るたびに思います、頑張れ〜! すくすく育て〜! と。