Menu

hanon

[はのん] 生活を楽しむあなたに贈るライフスタイルWebマガジン

シバトモのおきらく鳥♪日記 / 024

こんにちは。ごくごく普通のおばさんコピーライター、シバトモです。子育ても親の介護も経験し、もう人生後半戦。趣味はバードウォッチング、といっても、いっこうに上達しない万年ビギナーです。そんな私がつづる「おきらく鳥♪日記」も今回で完結。あと1話おつきあいください。

当時1歳の娘が指さした先のかわいい小鳥。
それが、おきらく鳥♪への扉でした。

鳥といえば、スズメとハト、カラスくらいしか知らなかった私が、まだ若き頃、ひょんなことから鳥好きになりました。野鳥の世界に一歩足を踏み入れると、驚くほどいろんな鳥が自分の身近にいることが分かったり、その鳥ごとに好む餌や生きる環境があることを知ったり…。それからン十年。観察力・識別力にはまだ疑問符がつく万年ビギナーの私。「おきらく鳥♪日記」を締めくくる今回は、文字通りドジでお気楽な「私と鳥♪」のお話です。

数十年前のある日、縁側で抱っこしていた1歳の娘が窓の外を指さしました。な〜に? 小さな指の先を追ってみると、初めて見るかわいい小鳥が生け垣に止まっていたのです。夫が駅前の本屋まで図鑑を買いに走り、「ジョウビタキだ!」と判明。それが、全ての始まりでした。
当時住んでいたのは、隣に神社の雑木林、向かいに大根畑が広がる小さな借家。駆け出しのコピーライターが関西から東京に出て来て、この先も続けていくには、仕事を家に持ち帰ることも多いだろうと選んだ静かな環境でした。ところが、早朝の雑木林からは「チョットコイ、チョットコイ♪」とコジュケイの声、前の畑には美しいキセキレイの姿、庭のエゴの実をついばみにヤマガラが…と、来るわ来るわ、そこは野鳥の宝庫なのでした。娘が指さしたあのジョウビタキが引き金となり、わが家の鳥への興味は一気にヒートアップ。鳥見にうつつを抜かすことも多くなり、仕事がややおろそかになるという困った事態が頻発したのでした。ご覧の、鳥がいっぱいの年賀状を出す頃には、筋金入りのおきらく鳥♪となっていたのです。

初めて見る鳥にワクワクしながら、あちこちの探鳥会に参加していた時代のこと。渓流沿いの林の梢で、瑠璃色のきれいな鳥が朗々とさえずっていました。名前を教えてもらい、「初めてオオルリを見た!」とはしゃいでいたら、「初めてじゃないよ、前にも見てる!」と夫のあきれ顔。じつは私、二度も三度も“初めて見る”特技?があるのです。やがて年数だけはベテランとなってから。聞こえてきた声の主が分からず、何だろ?何だろ?と悩んでいたら、鳥を見始めてまだ1年ほどの方から「コゲラじゃないですか?」 そうでした、しょっちゅう見ているキツツキなのに…トホホ。鳥見ン十年の間にドジも積もります。
とはいえ、手柄話もあるんですよ。富士山近くの探鳥会で、かすかに聞こえた珍しいカッコウの仲間…ジュウイチの鳴き声。「聞き違いじゃないの?」という空気が漂う中、声の方角に望遠鏡を向けてのぞくと、なんという幸運! さえずるジュウイチの姿がど真ん中に入っていたのです。これぞ、万年ビギナーズ・ラック!?
こんな私が言うのもなんですが、真新しい感動を何度でも味わえるのは、万年ビギナーの特権かも(^0^;) 懲りず焦らず、これからもフィールドに向かいます。

スズメのチュンチュンという声が艶っぽさを増したことで春の訪れに気づく。一年ぶりに南から帰ってきたツバメの無事にほっとする。いつからか、野鳥の存在は私の生活になくてはならないものとなりました。木や草花など自然全般に目が向くようになったのも、数々の思いがけない風景に出会えたのも、鳥たちのお陰です。
飽きもせず長く続けているバードウォッチング。その良さって何だろう、と改めて考えてみました。まず、いつでも、どこでも、どんなに時間がない時でも楽しめるところ。私自身、仕事と子育てにドタバタしていた時期には、通勤電車が多摩川を渡るわずかな時間、窓から水鳥や小鳥を眺めるだけで、得がたい癒やしになりました。鳥仲間の中に、リタイア後の趣味にふさわしいのは?と熟考した結果、バードウォッチングを選んだ方がいます。理由を聞くと「体を適度に動かす、頭を使う、仲間と一緒に楽しめる」からだそうです。健康に役立ち、生活に潤いを運んでくれる、人生100年時代にぴったりの趣味といえるかも? 野鳥と自然に関心を寄せてくださる方が増えると、うれしいです。
2年の間「おきらく鳥♪日記」におつきあいいただき、ありがとうございました。