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新米シーズン到来!
「お米マイスター五ツ星」に聞く
おいしいお米の選び方と炊き方

黄金色の田園風景から刈り取り後の景色に変わり、本格的に新米が出回る季節になりました。炊きたてのご飯の香りやおいしさを味わった瞬間、「あぁ、日本人で良かった」としみじみ感じます。日本の食卓にパンや麺類が増えてきたとはいえ、まだまだ日本人にとっての主食は「お米」と胸を張ってもよいのではないでしょうか。そんなお米について今どきの流行やおいしいいただき方についてアレコレ詳しく知りたいと、東京の表参道からほど近い商店街にある小池精米店を訪れてお話を伺いました。

生鮮食品のお米を、上手に保存しておいしく食べるコツ

日本人の主食「お米」にまつわる基本の“き”

“一般家庭のパンの支出額が、遂にお米を上回った”と話題になったのは7年ほど前。素材にこだわるパン屋さんも目立つようになったり、雑誌の特集でも頻繁に取り上げられたり、確かに世はパンブーム。一方で店先には、“つや姫”や“ゆめぴりか”などなどブランド米が増え、お米業界も盛り上がってきているように感じられます。実際のところはどうなの? という素朴な疑問を明らかにすべく、「五ツ星お米マイスター※」の取得者、小池理雄さんに近年のお米事情について教えていただきました。
※お米マイスターは、日本米穀小売商業組合連合会が主宰する、お米に関する専門職経験がある人のみに受験資格がある、いわば、お米の博士号とも言える資格です。

「ひと昔前、お米は黙っていても売れる時代がありましたが、家計におけるお米の支出額の減少とともに生産量は落ち込んできています。今、日本各地でさまざまなブランド米が競うように作られているのは、お米の消費を盛り上げようとする産地の工夫だと言えますね」

その種類は500〜600にも及ぶそうですが、“コシヒカリ”や“あきたこまち”、“ひとめぼれ”をはじめ上位10品種で全体の約7割を占めているのだとか。

「トレンドとしては、“しっかりした粒で食べ応えがあって甘みと粘りがあるお米”が人気と言えそうです。つや姫や銀河のしずくなどもその一つですね。お米は、土や水、気温など環境によって栽培に適している品種は異なりますし、同じ品種でも産地が違えば味も違います。味が淡白なだけに違いや個性を見極めるのは難しいのですが、私どもの精米店では甘みや食感、粘りなど8つの項目でお米の通知票を作って農家さんにフィードバックしているんですよ。毎日違う品種のお米を炊いて食べてみて、日々の食事は実験ですね(笑)」

数あるブランド米から好みのお米を探すのは難しいかもしれませんが、お米に関する知識と経験豊富な小池さんのような五ツ星お米マイスターのいる精米店で相談すると、的確なアドバイスをいただけそうです。

品種の他にもお米選びの選択基準として気になるのが、自然農法や合鴨農法など作り方の違いです。

「農法についてはいろいろな要素が絡み合っているので何が良いとは一概に断言できません。例えば、自然農法という言葉がありますが、これは法的に明確な定義がなく人によってはさまざまなやり方をしています。合鴨農法では確かに除草剤を使わずにすむというメリットがありますが、農家さんにしてみれば合鴨がキツネに襲われたり鳥インフルエンザの危険性があったりと逆にコストがかさむことがあります。それに、お米の味は淡白ですから、例えば無農薬で栽培しているからといって野菜ほどは明確な味の差は出ません。個人的には無農薬で栽培されたお米の方がコクがあると感じますし、玄米でいただくなら農薬を極力使わない農法のお米がおススメですが、農薬や肥料を使ったものにももちろんおいしいお米はたくさんあります。あえて言うなら、“味に加えて作り手のポリシーに共感できるかどうか”ですね」

品種や農法のお話だけでも選択肢が無限に広がってますます迷ってしまいそうですが、米農家さんや精米店、または旅先などでの一期一会を楽しんでみるのも良さそうです。

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